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総合型選抜で併願はできる?専願との違いと、受かった後に決める期限

結論

  • 集計した首都圏の私立大学の総合型選抜100方式で、他大学との併願をはっきり認める方式は16%。併願できる方式でも、合格から入学手続の締切までは中央値で約1週間です。
  • 併願できるかは大学ではなく方式ごとに決まり、受かった後に他大学の結果を待つ時間もほとんどありません。どこに入るかと最初に納める額は、出願の前に決めておくことになります。
  • やること:受ける方式の合格発表日と手続締切を1枚に並べる。

まず知りたい4つ

気になる大学では、何が必要?

大学を押すと、出願の書類・締切・生成AIの扱いを募集要項から確かめられます。

載っているのは、アオミチ編集部が2027年度の募集要項で日程を確かめた大学です。

総合型選抜で、他大学と併願できる方式はどれくらい?

集計した総合型選抜100方式のうち、他大学との併願をはっきり認める方式は16方式でした。いちばん多いのは専願(その大学に合格したら入学する約束で受ける形)の52方式です。 専願と「入学が前提」を合わせると半分を超える56方式に、受かったら入学する約束がつきます。志望校を決めても、どれを同時に出せるかは、方式ごとの扱いを見るまで分かりません。

ここでいう方式は大学・学部ごとの入試の種類1つ分で、併願可の16方式は4大学にあります。

要項の言葉を約束の強い順に並べると、5段階になります。

  • 専願(52方式)

    受かったら入学する約束で出す。ほかの大学を選ぶ前提がない

  • 入学が前提(4方式)

    ほかの大学にも出してよい。ただし受かったら、ここに入学する

  • 第一志望が出願資格(12方式)

    「ここが第一志望」と言える人が出せる。受かった後の約束は書いていない

  • 明記なし(16方式)

    併願について、要項から何も読み取れていない。大学に聞いて決める

  • 併願可(16方式)

    ほかの大学にも出せて、受かった後にどこへ入るか選べる

ハムスター先生

「併願できる」と書いてあっても、受かった後の約束が別に書いてあることがあるよ。どの段階に当たるかは、要項を最後まで読んでから決めよう。

他大学と併願できる方式の一覧

一覧の方式は、2027年度入学の出願締切がすべて過ぎています。 2028年度入学で受ける人が、同じ探し方をするための見本です。すでに出願した人は、手続締切の確かめに使えます。2027年度入学でこれから出す人は、先に下の「これから出せる方式の探し方」を読んでください。

比べるのは合格発表と手続締切の2つの日付です。2つの日付の間が、受かった後に入学を決める期間です。

要項の原文で確かめた13方式を載せます(残りの3方式→「この数字の数え方と限界」)。日付は方式の中で最も早い日です。出願締切は2026年9月7日〜10月16日で、どれも過ぎています。

  • 中央大学 法学部 チャレンジ入学試験

    発表 11月5日 → 手続締切 11月12日

  • 中央大学 法学部 英語運用能力特別入学試験

    発表 11月5日 → 手続締切 11月12日

  • 中央大学 文学部 自己推薦入学試験

    発表 11月5日 → 手続締切 11月12日

  • 中央大学 国際経営学部 自己推薦入学試験

    発表 11月4日 → 手続締切 11月11日

  • 中央大学 基幹理工・社会理工・先進理工学部 高大接続型自己推薦入学試験

    発表 11月20日 → 手続締切 11月30日

  • 中央大学 商学部 外国語能力特別入学試験

    発表 11月13日 → 手続締切 11月20日

  • 中央大学 経済学部 外国語能力特別入学試験

    発表 12月3日 → 手続締切 12月10日

  • 中央大学 経済学部 高大接続入学試験【自己推薦型】

    発表 12月3日 → 手続締切 12月10日

  • 中央大学 経済学部 高大接続入学試験【資格・実績評価型】

    発表 12月3日 → 手続締切 12月10日

  • 中央大学 スポーツ情報学部 スポーツマネジメント入学試験

    発表 11月30日 → 手続締切 12月7日

  • 中央大学 スポーツ情報学部 DS女子入学試験

    発表 11月30日 → 手続締切 12月7日

  • 中央大学 スポーツ情報学部 DSプロ入学試験

    発表 11月30日 → 手続締切 12月7日

  • 早稲田大学 地域探究・貢献入試

    発表 2027年2月10日 → 手続締切は不明

中央大学の日付は2026年、早稲田大学の発表が2027年です。

中央大学の12方式は、どれも延納(入学金などの一部だけ先に納め、残りを後で納められる仕組み)ができます。特別入試出願手引で「他大学を併願する場合」に入学手続を延ばせる入試に、12方式とも入っています(中央大学「特別入試出願手引」PDF p12)。法学部のチャレンジ入学試験の要項にも「他大学との併願を認めています」と書かれています(要項p3)。

学内では、同じ学部の方式どうしを併願できない組み合わせもあります(アオミチの入試データベースの記録。くわしくは要項で確かめてください)。

早稲田大学 地域探究・貢献入試は、要項p5に「専願入試ではありません」と書かれています。

一覧にない大学(関東の外の大学や国公立大学など)は、その大学の入試ページで募集要項を読むか、要項を取り寄せて、同じように確かめてください。

公募推薦の併願は、集計では0方式

公募推薦(高校の推薦があれば出せる学校推薦型選抜)は、受かったら入学すると決めた方式だけに出します。集計した24方式に、併願可は1つもありませんでした。

24方式のうち21方式が専願です。残りは「合格したら入学が前提」が2方式、「第一志望が出願資格」が1方式でした。

学校推薦型選抜で合格して入学手続を済ませると、後で辞退しても授業料などが戻らないことがあります(→「保護者の方へ:お金はいつ、いくら要る?」)。指定校推薦も学校推薦型選抜なので同じ扱いです。指定校推薦は集計に入っていないので、高校の先生と志望校の要項で確かめます。

総合型選抜と公募推薦の両方に出せるかは、方式によって違います。出願すると他の入試に出せなくなる方式もあります(東洋大学の専願のみの入試、要項p6)。両方の要項の「他の入試との関係」の欄と試験日を確かめてから出します。

同じ大学でも、方式で扱いが違う

「◯◯大学は併願できる」と、大学単位では決められません。 総合型選抜を集計した13大学のうち8大学は、方式によって扱いが2種類以上ありました。

学内の併願(同じ大学の他学部・他方式)にも制限があります。総合型100方式のうち55方式に、学内の併願を制限する書き方がありました。同じ大学で2つ以上の方式を考えているなら、この制限も要項で読みます。

  • 早稲田大学 地域探究・貢献入試:この入試の中で、学部の併願はできない(要項p5・p6)
  • 東洋大学の専願のみの入試:出すと、11月29日の基礎学力テスト型入試に出せない(要項p6)
  • 専修大学 経営学部 総合型選抜:両学科への出願と、学校推薦型選抜との併願はできない(要項p6)

東洋大学の場合、10月18日の入試で不合格だった人は、基礎学力テスト型入試に出願できます。

この数字の数え方と限界

記事の数字を読むときに知っておくことは、次の5つです。

  • 対象は、アオミチの入試データベースで、2027年度入学の要項から出願条件まで入力を終えた方式
  • 総合型選抜は100方式(13大学)。記事の数字は断りがなければこの100方式から出している
  • 首都圏(関東)の私立大学に偏っていて、全国の割合ではない。関西など他の地域の大学と、国公立大学は入っていない
  • 「明記なし」は、データベースに併願の記述がないという意味。要項の概要だけから入力した方式もあるので、要項に書いていないとは限らない
  • 併願可16方式のうち3方式(2大学)は、要項の原文で確かめ切れていないので、一覧に名前を載せていない
細かい数え方(方式の数と定義)
  • 公募推薦24方式は別に数え、「公募推薦の併願は、集計では0方式」の節だけで使っている
  • 最も多い東洋大学が、総合型選抜だけで28方式を占める(東洋大学の公募推薦は24方式の側)
  • 東洋大学を除いた72方式で数え直すと、専願は33%、併願可は22%
  • 延納の「記載なし」も、延納がないという意味ではない(総合型の専願52方式のうち39方式)
  • 慶應義塾大学 SFCのAO入試は、出願資格に確約があるので専願に数えた
  • ただしSFCの要項のQ&Aは、条件つきで他大学との併願を認めている(→「『併願できる』と『受かっても断れる』は別の話」)
  • 日程は方式の中で最も早い日を使った。日付が分からない方式は日程の数に入れていない
  • 月ごとの表の合計は、日付が分からない方式の分だけ少ない(出願締切で1方式、手続締切で16方式)
  • 「手続締切の日にまだ発表前の割合」は、手続締切が分かる84方式ごとに、他大学の方式のうち発表前の割合を出した中央値
  • 他大学の方式は、合格発表日が分かるものだけ。例えば締切の日に他大学の方式が10あり、3つが発表前なら30%。84個の割合は0%〜72%に散らばる
  • 「落ちた後に出せる方式」は、発表が11月の専願37方式・12月の11方式・1月の4方式それぞれで数えた中央値
  • 全国の参考の数字は、小論文の記録で出願期間の日付が拾えた1,372個(283大学)の組み合わせから、方式名や備考のメモを機械で読んで数えた。要項の原文ではない
  • 検定料は、データベースに金額がある83方式で数えた。80方式が合計35,000円(1次と2次に分けて納める方式を含む)
  • 入力が終わっていない379方式(168大学)は数えていない

この節でやること

「併願できる」と「受かっても断れる」は別の話

他大学との併願を認めていても、受かったら入学する約束がつく方式があります。集計した総合型100方式のうち4方式が「併願はできるが、合格したら入学が前提」でした。 「併願できる」の一言だけで決めると、受かった後に他の大学を選べない方式を、選べる方式のつもりで計画に入れてしまいます。

明治大学 文学部の自己推薦特別入学試験が「入学が前提」の例です。出願資格に「第一志望として入学を志す者」とあります。注には「合格した場合は本学部に入学することを前提として、他大学・他学部との併願を認めます」とあります(要項p4)。

専修大学 経営学部の総合型選抜も同じ段階です。要項は「他大学・他学部との併願は認めますが、本入学試験制度で合格した場合は、本学部に入学することを前提とします」と書いています(要項p6)。

慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部(SFC)のAO入試は、5段階のどこに入れるか迷う書き方です。出願資格には「第一志望」「合格した場合に入学することを確約できる者」とあります(要項p10)。

一方で、同じ要項のQ&Aは、他大学との併願を条件つきで認めています。相手が専願ではなく、合格後の入学の確約(受かったら入学すると約束すること)も求めない大学なら、併願できます(要項p36)。要項は「専願」と「入学が前提」の中間の書き方です(集計では専願に数えました)。

組み合わせ 同時に出せるか 受かった後に選べるか 決め方
専願×専願 結果が出る前に2つ同時は、要項が許さないことがある 選べない前提 1つ目の結果が出てから、次の専願に出す
専願×併願可 併願可の側は受け付ける 専願に受かれば専願へ 専願の発表が先なら、落ちてから併願可に出せるかを出願締切で確かめる
併願可×併願可 出せる 手続締切までに選ぶ 両方の手続締切と延納の額を比べ、先に来る締切までに払える額か決める
総合型選抜×一般選抜 出せる 延納があれば選べる。なければ全額を納めて後で辞退する道もある(戻らない額あり) 総合型の手続締切は一般選抜の試験より前に来るので、延納の有無と、辞退したとき戻らない額を先に確かめる

この表は5段階のうち、専願と併願可だけで組んでいます。「入学が前提」の方式は、受かった後に選べない点で専願の行と同じです。「第一志望が出願資格」と「明記なし」の方式は、窓口で確かめてから、どちらの行に当たるかを決めます。

専願に受かった後の辞退と返金

専願で合格した人が入学を辞退するとき、大学は無理に引き留められません。 文部科学省がそう示しています。理由は最高裁判所の判例(平成18年11月27日判決)です。学生は原則として、いつでも在学契約(入学して学ぶという、大学との契約)を解除できます(文部科学省「専願による入試を実施する際の留意点」)。

払ったお金が戻るかは、別の決まりで決まります(→「保護者の方へ:お金はいつ、いくら要る?」)。だから専願に出すのは、受かったら入学すると決めた方式だけにします。

国立大学の総合型選抜と前期・後期

国立大学の総合型選抜に合格して入学手続を終えた人は、前期・後期日程の合格者になれません。 総合型選抜の合格者は、2月17日までに「入学辞退届」を出さないと、前期・後期日程の合格者になれません。国立大学協会の実施要領が、こう定めています(国立大学協会「国立大学の2027年度入学者選抜についての実施要領」PDF p5)。

不合格に備えて、前期・後期日程で合計2つまでの大学・学部に出願はできます。

公立大学と、国公立大学の個々の方式の扱いは、アオミチの入試データベースにまだ入っていません。国公立も考える人は、志望校の募集要項の「入学手続」と「他の入試との関係」の欄を読んでください。

この節でやること

要項で併願の扱いを見分ける読み方

併願の扱いは、要項の出願資格・注意書き(Q&A)・入学手続の3か所に分かれて書かれています。慶應義塾大学 SFCのAO入試は、出願資格では入学を「確約」、Q&Aでは条件つきで併願を認めると、2か所で書き方が違いました。 1か所だけ読んで決めると、併願できる方式をあきらめたり、受かったら入学する方式を併願の数に入れたりします。

照合した7方式の書かれ方は、次のとおりです(約束の強い順)。

大学・方式 書かれ方 段階 場所
東洋大学 専願のみの入試 専願のみを対象とした入学試験 専願 要項p6
慶應義塾大学 SFC AO入試 第一志望・入学を確約。確約を求めない他大学とは併願可 専願と入学が前提の中間(集計では専願) 要項p10・p36
明治大学 文学部 自己推薦特別入学試験 合格したら入学を前提に併願を認める 入学が前提 要項p4
専修大学 経営学部 総合型選抜 併願は認めるが、合格したら入学が前提 入学が前提 要項p6
青山学院大学 文学部史学科 自己推薦入学者選抜 本学科を第一志望として進学を希望する者 第一志望が出願資格 要項p5
中央大学 法学部 チャレンジ入学試験 他大学との併願を認めている 併願可 要項p3
早稲田大学 地域探究・貢献入試 専願入試ではない。他大学の受験も可能 併願可 要項p5

要項は年度ごとに変わります。受ける年度の要項で、3か所を読み直してください。

「第一志望として」とだけ書いてあるとき

「第一志望」とだけあり、併願について何も書いていない方式は、大学の入試の窓口に聞いて扱いを決めます。 総合型100方式のうち12方式がこの書き方でした。

例えば青山学院大学 文学部史学科の自己推薦入学者選抜は、出願資格に「本学科を第一志望として本学科へ進学を希望する者」とあります(要項p5)。

窓口への聞き方の例です(説明のために作った文)。

入試の窓口への聞き方

あなた

◯◯入試に合格した場合、他大学の合格発表を待ってから入学手続をすることはできますか。

あなた

◯◯入試と、他大学の総合型選抜を同時に出願してもよいですか。

答えはメモに残し、出願の前に担任の先生とも共有しておきます。

「明記なし」と書かれた方式の扱い

「明記なし」の方式は、要項を全ページ読んでから、分からなければ大学に問い合わせます。 総合型100方式のうち16方式は、アオミチの入試データベースに併願の言葉がありませんでした(数え方→「この数字の数え方と限界」)。

探すのは「併願」「専願」「第一志望」「確約」の4語です。どれかが見つかれば、その文で5段階のどれに当たるかを決めます。

この節でやること

併願可でも、合格から手続締切まで約1週間

合格発表から入学手続の締切までは、中央値(並べたときの真ん中の値)で10日でした。併願可の方式に限ると7日です(最短も7日)。 受かってから延納するか、どこに入るかを考えられるのは1週間ほどです。どちらも出願する前に決めておきます。

数えたのは合格発表と手続締切の両方が分かる84方式です。併願可では、手続締切が不明な早稲田大学 地域探究・貢献入試を除く15方式になります。

一般選抜の試験は2027年2月1日から始まります(実施要項p4)。手続締切がそれより前に来る方式は、84方式中83方式でした。延納がない方式では、一般選抜の結果を見る前に入学を決めることになります。

月ごとに数えると、次のようになります(日付が分からない方式は入れていません)。

月 出願締切 合格発表 手続締切
2026年9月 49 0 0
2026年10月 39 0 0
2026年11月 6 63 37
2026年12月 5 30 34
2027年1月 0 4 12
2027年2月 0 3 0
2027年3月 0 0 1
合計(日付が分かる方式) 99 100 84

合格発表も手続締切も、11月と12月に集まっています。合格発表では93方式、手続締切では71方式がこの2か月です。

延納(2段階の手続)がある方式

併願可の16方式のうち、要項の原文で延納ができると確かめたのは、上の一覧の中央大学12方式です。 早稲田大学 地域探究・貢献入試は、データベースに延納の記載がありません。名前を載せていない3方式は原文で確かめ切れていないので、延納の有無はここでは書きません。

中央大学の流れを、法学部のチャレンジ入学試験で示します(中央大学「特別入試出願手引」PDF p12・p13)。

延納しないときは、手続期間内に「入学金・学費等」をまとめて納めます。延納できるのは、併願校があり、その合格発表日が本学の手続締切から3月25日までの間にある人です。

手引では、1段階目に納めるお金を「入学申込金」、手続の後に辞退したとき戻らないお金を「入学金」と、別の欄に書いています。どちらも240,000円です。1段階目の240,000円が入学金に充てられるのか、2段階目の「学費等」に入学金が別に入るのかは、手引には書かれていません。合格後に配られる『入学手続要項』で確かめます。

明治大学 文学部の自己推薦特別入学試験は、入学手続が「一括納入手続のみ」です。入学金だけ先に納めて残りを延ばす仕組みはありません(要項p14)。

ハムスター先生

延納しても1段階目に納めるお金は戻らないことがあるよ。中央大学の入学申込金は「理由を問わず返さない」と手引に書いてある。

手続締切の日、他大学の発表は4分の1ほどが未発表

他大学の発表を待ちたいなら、延納するか、全額を納めて後で辞退するかを、出願の前に決めておきます。 手続締切の日には、集計した他大学の方式のうち、中央値で27%(4分の1ほど)がまだ発表前でした。併願可の15方式でも中央値は26%です(数え方→「この数字の数え方と限界」)。

一般選抜の結果まで待つ方法は2つです。

  • 延納する

    延納の締切と額を、併願する大学の発表日と並べて確かめる

  • 全額を納めて、あとで辞退する

    何がいつまでに戻るかは、方式と大学で違う(→「保護者の方へ:お金はいつ、いくら要る?」)

どちらを選ぶかは、家族と額を確かめてから決めます。

この節でやること

受ける方式が2つ以上になると、どの発表がどの手続締切より後に来るかは、日付を書き出しただけでは見落としがちです。書き出す1枚は併願の日程の重なりでも作れて、受ける方式を選ぶと出願・試験・合格発表・入学手続が1本の時間軸に並びます。手続締切がほかの方式の発表より前に来る組み合わせと、試験日が重なる所も知らせてくれます。載っているのは、アオミチ編集部が要項で日付を確かめた方式です。

専願と併願、どの順で受ければいい?

集計では、専願の発表が11月なら、落ちた翌日以降に出願締切がある他大学の方式が、中央値で5方式ありました。12月の発表では1方式、1月では0方式です。 専願に落ちてから別の方式に出すつもりなら、発表が12月以降の専願を選ぶと、残る方式は中央値で1つ以下になります。集計した方式の9割近くは、2026年11月2日の時点で出願を締め切っています。これから出す人は、まだ締切が来ていない方式(11月上旬に締め切る方式もあります)の中で順番を組みます(→「これから出せる方式の探し方」)。

試験日が他大学と重なることもよくあります。試験日が分かる99方式のうち82方式は、他大学の方式と同じ日に試験がありました。

早稲田大学 地域探究・貢献入試の要項にも、10月25日の2次選考が国際教養学部のAO入試と同じ日なので、実質的に併願できないとあります(要項p5)。

受ける順は次の4つを1枚の表に並べて決めます。

  • 合格発表日
  • 入学手続の締切
  • 延納の有無と、最初に納める額
  • 試験日が他の方式と重ならないか

よくある失敗

  • 結果が出る前に専願を2つ同時に出す

    両方に受かると、どちらかの約束を守れなくなります。2つ目の専願は、1つ目の結果が出てからです。

  • 延納の額を見ずに手続締切を迎える

    延納できるか、最初にいくら納めるかは方式ごとに違います(→「延納(2段階の手続)がある方式」)。

  • 学内の併願の制限を見落とす

    同じ大学の中でも、出せない組み合わせがあります(→「同じ大学でも、方式で扱いが違う」)。

これから出せる方式の探し方

これから出すなら、出願締切が12月以降の方式を、志望校と近い大学の要項で探します。 集計した100方式では、9割近くが9月か10月に出願締切を迎え、2026年11月2日の時点で締め切られています。

全国の参考に、アオミチの入試データベース(小論文の記録)も数えました。出願締切が2026年12月以降の方式は、日付が拾えた組み合わせの13%で、88大学にありました。要項の原文ではなく、メモから数えた参考値です。

これから出す人は、次の順で探します。

  1. 志望校とその近い大学の要項で、出願締切が12月以降の方式を探す
  2. 見つけた方式を、要項の3か所で5段階のどれに当たるか決める
  3. 当てはまる方式を、上の「受ける順」の表に書き足す

アオミチの集計に入っていない大学(関東の外の大学や国公立大学など)は、大学の入試ページで募集要項を読むか、要項を取り寄せて探します。

ハムスター先生

締切が近い方式ほど、書類を急いで仕上げることになるよ。見つけたら、締切から逆に予定を立てよう。

この節でやること

候補が2〜4校になると、日程・書類・費用・併願の扱いが方式ごとに違い、頭の中だけでは比べ切れません。家族と相談するときにも、同じ表を見ながら話せると決めやすくなります。並べた日付を志望校の比較表に入れると、候補の日程・書類・費用・併願の可否を横に並べ、印刷や画像にして家族に見せられます。

併願するときの書類の書き分け方

「見る点」(大学が評価で見ると書いている点)は、方式ごとに要項に書かれていて、同じではありません。慶應義塾大学 SFCのAO入試は、出願資格に「志望理由や入学後の構想が明確」であることを入れています。早稲田大学 地域探究・貢献入試は、地域での活動や問題意識をふまえ、学んだ成果を地域に還元したいという意欲を評価すると書いています(要項p4)。 志望理由書は、併願する方式の数だけ書き分けが要ります。出願締切が早い方式ほど、見る点に合わせて直す時間が少なくなります。

図の例はSFCのAO入試です。要項は「SFCであなたは何を学びたいのか」を出発点にしています(要項p5・p10)。

図の上の文は大学名を入れ替えればどの大学にも出せて、SFCで学ぶ理由がありません。下の文は学びたいこと(空き店舗の活用)と、SFCでなければならない理由(政策と情報の両方・研究会)がつながっています。p10の「入学後の構想」にも答える文です。

書き方の手順は志望理由書の書き方、書類から面接で聞かれることは面接の記事で読めます。

志望理由書の1文ずつに、その大学でなければならない理由があるかも見てください。

この節でやること

見る点を書き出すときは、書類づくりに生成AIを使ってよいか(方式ごとに要項で決まっている)も見ておきます。要項チェッカーでは、受ける方式の書類を「自分で書く・学校に頼む・取り寄せる」に分け、締切と生成AIの扱いも並べて確かめられます。

保護者の方へ:お金はいつ、いくら要る?

併願でお金が要るのは、出願のときの検定料と、合格発表から1週間ほどで来る入学手続です。 検定料は出す方式の数だけ増えます。入学手続のお金を金融機関の窓口で振り込む大学では、合格から1週間ほどの間に、額をそろえて窓口へ行く日が要ります。

最初に納めるお金と、戻る・戻らない

入学を辞退したときの授業料の扱いは、文部科学省の実施要項が決めています(文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」p9)。

  • 3月31日までに辞退すれば、授業料などは原則として返される
  • 専願で合格して入学手続を済ませた人は、この原則の外になる
  • 学校推薦型選抜(これに似た入試を含む)で合格して入学手続を済ませた人も、原則の外になる

入学金の扱いは、この原則とは別です。中央大学の特別入試では、手続の後、指定の期日までに辞退を届け出て受理されると、入学金240,000円を除いて返します(→「延納(2段階の手続)がある方式」)。ほかの大学で戻る額は、要項の「入学手続」「入学辞退」の欄で確かめます。

金額の計画の立て方

検定料は出す方式の数だけかかります。集計した方式では、1方式35,000円の方式がほとんどでした。別に、出願のたびに利用料がかかる大学もあります。

例えば中央大学と専修大学の2方式に出すと、出願だけで合わせて72,450円です。中央大学は検定料35,000円とシステム利用料1,350円で36,350円、専修大学は検定料35,000円とサービス利用料1,100円で36,100円です。例に挙げたのは、併願を認める中央大学の方式と、入学が前提の専修大学の方式です(金額は2027年度の要項。中央大学 特別入試出願手引p10・専修大学 経営学部 要項p7)。専修大学の要項は、一度納めた検定料はどんな理由でも返さないと書いています。

家族で決めておくことは、次の3つです。

  1. 受ける方式の検定料と利用料を足し、出願の時期ごとの合計を出す
  2. 方式ごとに、合格したとき最初に納める額と締切を要項の入学手続の欄で調べる
  3. 延納がない方式に受かったとき、全額を納めて待つか、そこに決めるかを話しておく(全額を納めて辞退しても、入学金など戻らない額があります。専願で手続をした人は、返す原則の外です)

親がやる手続きと、子どもへの声かけ

窓口での振込しか受け付けない大学があります。明治大学は検定料を金融機関の窓口から電信扱いで振り込み、ATMは使えません(文学部の要項p12)。中央大学の入学手続も、原則として国内の金融機関の窓口(ゆうちょ銀行を除く)からの振込です(特別入試出願手引p12)。発表の日から手続締切までに、窓口に行ける日を家族の予定に入れておきます。

声かけで助けになるのは、出す前に「受かったら入学するか」を一緒に決めておくことです。言い方の例です(説明のために作った文)。

出願の前に話しておくこと

保護者

この方式は、受かったら入学する約束がある方式?

受験生

要項の出願資格に「第一志望」とあるから、窓口に聞いてみる。

保護者

受かったとき最初に納める額と締切を、一緒に書き出しておこう。

この節でやること

よくある質問

Q総合型選抜で併願できる大学を教えてください。

この記事で要項の原文まで確かめた中では、中央大学の12方式と早稲田大学 地域探究・貢献入試が、他大学との併願を認めていました(特別入試出願手引 PDF p12・要項p5)。同じ大学でも方式で扱いが違うので、一覧(→「他大学と併願できる方式の一覧」)と受ける方式の要項で確かめます。

Q「第一志望」と書いてあれば専願ですか?

専願とは限りません。明治大学 文学部の自己推薦特別入学試験のように、第一志望を条件にしつつ、入学を前提に併願を認める方式もあります。併願の言葉がなければ、大学に問い合わせます。

Q専願を2つ出してもいいですか?

結果が出る前に2つ同時に出すと、両方に受かったとき約束を守れなくなります。1つ目の結果が出てから次に出す順なら、要項が認める範囲で出せます(→「よくある失敗」)。

Q公募推薦は併願できますか?

アオミチが数えた公募推薦24方式では、他大学との併願をはっきり認める方式は0でした。国立大学の学校推薦型選抜では、合格者は2月17日までに入学手続をします。辞退が認められるのは、特別の事情があり、出身学校長が「推薦入学辞退願」を出して許可された場合です(実施要領 PDF p4)。

Q総合型選抜と公募推薦は、両方受けられますか?

出願すると他の入試に出せなくなる方式もあるので、両方の要項の「他の入試との関係」の欄と試験日を読みます。集計した公募推薦はほとんどが専願なので、受かったらそこに入学する前提で順番を決めます。

Q併願すると、お金はいくらかかりますか?

出願のときに、方式ごとの検定料がかかります。集計した方式では1方式35,000円が多く、ほかに利用料がかかる大学もあります。合格後に最初に納める額は方式ごとに違うので、要項の入学手続の欄で確かめます(→「保護者の方へ:お金はいつ、いくら要る?」)。

Q総合型選抜は何校受けるのがいいですか?

何校がよいという決まりはなく、何校受ける人が多いかもアオミチの集計では分かりません。試験日と手続締切が重ならず、検定料と最初に納める額を払える数が、目安の上限です(→「専願と併願、どの順で受ければいい?」)。

次にやること

自分の状況に合う行を1つ選びます。

  • 合格発表が出て、手続締切が数日後の人

    延納の有無と最初に納める額を要項で確かめ、家族と決める。

  • 延納がない方式に受かった人

    そこに決めるか、全額を納めて3月31日までに辞退するかを家族と決める(入学金など戻らない額があり、専願は返す原則の外。→「保護者の方へ:お金はいつ、いくら要る?」)。

  • 試験が数日後の人

    出した書類の控えを読み直す。受かったときの手続締切と最初に納める額も家族と確かめる。

  • 11月に専願の合格発表を待っている人

    落ちた場合に出す方式の出願締切を、発表の前にメモしておく。

  • これから出願する人

    12月以降に出願締切がある方式を探し、要項の3か所で5段階のどれに当たるか決める。

  • 国公立も考える人

    志望校の要項で「前期・後期日程との関係」と辞退届の期限を読む。

併願で書類が増える人は、アオミチの公式LINEで「志望理由書」と送ると、志望理由書の添削テンプレ(AIに貼って使う添削の指示文)を無料で受け取れます。使う前に、受ける方式の要項で生成AIを使ってよいかを確かめてください。メニューの「今やること診断」では、今の状況から次にやることを確かめられます。

公式LINEで志望理由書の添削テンプレを受け取る(無料) 登録は無料です。いつでもブロックしてやめられます。

アオミチプラス(準備中)

併願すると、方式ごとに「見る点」に合わせて書類を書き分けます。アオミチプラスは、受ける方式の要項が公式に書いている「見る点」を出典つきで示し、自分の書類と1つずつ照らすサービスです。直すのは自分です。面接の準備にもつなげられます。2026年11月の時点では公開の準備中です。

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この記事について

  • 執筆:アオミチ編集部(運営者情報・編集方針)
  • 最終更新:2026-11-02
  • 作り方:数字は大学の公式資料(募集要項など)とアオミチの集計から出し、要項の抜き出しと下書きにはAI(Claude)を使っています。記事の数字と要項の記述は、書いた時とは別の指示で動くAIが公式資料と1文ずつ照らし合わせ、採点表で審査しています。そのうえで、事実の確認と最終的な編集を人が行っています。問い合わせの聞き方・志望理由の文・家族の会話は、説明のために作った例です。
  • アオミチ調べ:2027年度入学の要項から出願条件まで入力を終えた方式の集計(2026-11-02)。総合型選抜100方式(13大学)と、別に数えた公募推薦24方式。範囲と限界は「この数字の数え方と限界」の節にまとめています。
  • 出典・参考資料(11件)

    (ページはPDFのページ。確認日は専修大学が2026-10-26、ほかは2026-11-01):文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」p4・p9(掲載ページ)/文部科学省「専願による入試を実施する際の留意点」(PDF)/国立大学協会「国立大学の2027年度入学者選抜についての実施要領」p4〜5(PDF)/東洋大学「2027年度 総合型選抜・学校推薦型選抜 専願のみ 入学試験要項」p6(PDF)/明治大学 文学部「2027年度 自己推薦特別入学試験要項」p4・p7・p12・p14(PDF)/青山学院大学 文学部史学科「2027年度 自己推薦入学者選抜要項」p5・p6(PDF)/中央大学 法学部「2027年度 チャレンジ入学試験 入学試験要項」p3・p5(PDF)/中央大学「2027年度 特別入試出願手引」p10・p12・p13(PDF)/専修大学「2027(令和9)年度 経営学部 総合型選抜入学試験要項」p6・p7(PDF)/早稲田大学「2027年度 地域探究・貢献入試 入学試験要項」p4・p5・p6(原本の掲載が終わったためWebアーカイブの控え、PDF)/慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部「2026夏秋AO入試 募集要項」p5・p10・p11・p36(PDF)

  • 併願の扱い・日程・入学手続は、大学・学部・方式・年度ごとに違います。出願の前に、志望校の最新の募集要項を確認してください。

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